• No : 4335
  • 公開日時 : 2020/05/15 15:36
  • 更新日時 : 2020/05/21 16:17
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【TI:マイコン】 TMS320F28x コアの処理性能について

TMS320F28xについて、コアの処理性能を教えてください。
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回答

各シリーズの最大のMIPS値は下記の通りです。
各コア(C28x、CLA、M4)は基本的にクロックサイクル毎に1命令を実行(1 MIPS/MHz)できます。
 
Product C28x CLA M4 ALL
# MHz MIPS # MHz MIPS # MHz MIPS MIPS
TMS320F2838xD 2 200 400 2 200 400 1 125 125 925
TMS320F2838xS 1 200 200 1 200 200 1 125 125 525
TMS320F2837xD 2 200 400 2 200 400 - - - 800
TMS320F2837xS 1 200 200 1 200 200 - - - 400
TMS320F2833x 1 150 150 - - - - - - 150
TMS320F2807x 1 120 120 1 120 120 - - - 240
TMS320F280049 1 100 100 1 100 100 - - - 200
TMS320F28002x 1 100 100 - - - - - - 100
TMS320F28035 1 60 60 1 60 60 - - - 120
TMS320F28027 1 60 60 - - - - - -
60
 
但し、MIPSは必ずしも有用な性能指標ではありません。
1秒あたりに実行可能な命令数を示しますが、実際の性能は各命令が何をするかに依存します。
また、複数のコアを同時に利用できるとは限らず、アプリケーションにより異なります。
例えば、シングルスレッドアプリケーションでは、CLAを利用できない場合があります。
 
 
また、DMIPS(Dhrystone MIPS)値については、測定結果はありません。
こちらもまたMIPSと同様に必ずしも有用な性能指標ではありません。
特に組み込みMCUの計算集中型のリアルタイム制御にとって、あまり有用ではありません。
 
Dhrystoneでは、いくつかの基本的な操作のみを測定しますが、積和演算、浮動小数点演算、SIMD演算、
その他、数学を多用するアルゴリズムに必要な多くの種類の演算を測定しません。
 
リアルタイム制御の場合、実際のアプリケーションのメインタスクの性能が重要です。
例えば、パワーエレクトロニクスの制御において、TMS320F2837xでは、
三角関数命令により19サイクルでパーク変換を完了することができ、
1.5マイクロ秒以下の高速電流ループを実現することも可能です。
更に、TMS320F2837xDでは、2つの高速電流ループを制御することも可能です。