メタステーブル(meta-stable)とは、電子回路において、
セットアップ時間(ts)やホールド時間(th)が一定時間を超えた場合に、
出力信号が不安定になる状態のことを言います。
メタステーブルは、信号の一時記憶を行うラッチ回路や、
出力を安定させることのできるフリップフロップ回路などにおいて発生します。
メタステーブルが発生すると、回路の出力が0と1の閾値の中間的な電圧を維持し続け、
ある程度持続した後、自然に0か1のいずれかで安定した状態に戻ります。
この期間は、TTLやCMOSの標準ロジックで数十ps~数ns程です。
セットアップ時間(ts)やホールド時間(th)などを満たしていない場合に発生ます。
伝播遅延時間(tpd)の増加や、論理の再反転などを引き起こします。
このメタステーブルの発生は、クロックなどの能動入力と、
データ信号などの受動入力とが非同期の場合、避けられない問題であるといえます。
したがって、順序回路を使用する際には、
データーシートのタイミング推奨動作条件を満たす設計を行うようにしてください。
メタステーブルを回避する方法については、以下FAQを参照下さい。