マスター側およびスレーブ側に内蔵されているFETのオン抵抗はある程度定められているため、
プルアップ抵抗の範囲も一般的に1k~10kΩと定められています。
これはバスラインの電圧値が内蔵FETのオン抵抗とプルアップ抵抗の抵抗分割によって決まるためです。
プルアップ抵抗の範囲が固定されると立ち上がり時間を制御するために変更できる値はバス容量になります。
バッファを1つ入れると元々のバス容量を2分することが出来、また2つの分離されたバスのそれぞれで
使用されるプルアップ抵抗に基づいて立ち上がり時間を変更、
つまり短縮することができます。
また接続するスレーブの数が多くなるとマスター側のバス容量や各スレーブ側のバス容量、
PCBトレースの静電容量によってI2Cの規格で定められている最大バス容量値を超えてしまうこともあります。
最大バス容量値を超えないようにバッファを使用する場合もあります。
Fast Mode Plusでは最大バス容量値は550pFと規定されています。
バッファを介することでバス容量値を規格以内に抑えることが出来ます。
参照:Why, When, and How to use I2C Buffers (SCPA054)