MSP430のクロック構成は、
MSP430F1xx
MSP430F2xx/G2xx
MSP430F4xx
MSP430F5xx/F6xx
MSP430FR57xx
MSP430FR50xx/FR58xx/FR59xx/FR6xx
MSP430FR2xx/FR4xx
のシリーズに分類できます。
本FAQでは、MSP430FR50xx/58xx/59xx/6xxのクロック構成について説明します。
出典:MSP430FR58xx, MSP430FR59xx, and MSP430FR6xx Family User's Guide REVISED DECEMBER 2017版(Texas Instruments社)
クロック・ソース
【LFXT (XT1)】 : LFXTCLK
・時計クリスタルあるいは共振器を接続します (Typ 32.768KHz)。
または外部クロック (Max 50kHz) をbypassモードで使用できます。
・内蔵load capacitor は有りません。 (Flashデバイスと異なる点です。)
クリスタル特性とドライブ電流強度(CSCTL4:LFXTDRIVE)により、適切なload capacitorを接続します。
・LFXIN/LFXOUTはDIO(default)とピンを共有しているので、ピン設定の切り替えが必要です。
・CSCTL4:LFXTOFF=0 (on) に設定して、LFXTOFFGとOFIFGを見て正常発振したら利用できます。
【HFXT(XT2)】 : HFXTCLK
・4 - 24MHzの高周波数クロック専用です。
外部クリスタルか共振器を接続します。
あるいは外部クロック(4 - 24MHz)をbypassモードで使用できます。
・HFXIN/HFXOUTピンはDIO(default)とピンを共有しているので、ピン設定の切り替えが必要です。
・CSCTL4:HFXTOFF=0 (on) に設定して、HFXTOFFGとOFIFGを見て正常発振したら利用できます。
【VLO】 : VLOCLK
・約10Kzの内蔵クロックです。
VCCと温度の変化でdriftが発生します。詳細は、各製品のデータシートを確認してください。
・デフォルトはoffですので、使用するときは、CSCTL4[VLOOFF] = 0 に設定します。
・一番消費電流が少ない(約100nA)クロックソースです。
【DCO】 : DCOCLK
・内蔵クロックです。
主にMCLKソースおよびペリフェラルのHFクロックソースとして使用します。
FLL機能はなくなり、工場出荷時に書き込まれたデバイスごとの補正値が自動で適用されます。
・CSCTL1[DCORSEL, DCOFSEL]の設定で、1/4/8/12/16/24MHzなどの周波数に設定できます。
周波数精度は、各周波数でmax ±3.5%程度です。
【MODOSC】 : MODCLK, LFMODCLK
・ Typ 4.8MHzの内蔵クロックです。 消費電流は、Typ 25uAです。
・ 主にADCなどのペリフェラル用のクロックとして使用します。
・ システムクロック LFMODCLK -> ACLK、 MODCLK -> MCLK,SMCLK に使用できます。
・ MODOSCを128分周したクロックが、LFMODCLKとなります。
システムクロック
【ACLK】 (Max 50KHz) : RTCとペリフェラルのLF(Low frequency)クロックとして使用します。
ソースクロック:VLOCLK、LFXTCLK、LFMODCLK (MODOSC/128)
【MCLK】 (Max 16MHz) : CPUクロックとして使用します。
ソースクロック:VLOCLK、LFXTCLK、LFMODCLK、DCOCLK、MODCLK、HFXTCLK
【SMCLK】 (Max 16MHz) : ペリフェラルのLF/HF(High frequency)クロックとして使用します。
ソースクロック:VLOCLK、LFXTCLK、LFMODCLK、DCOCLK、MODCLK 、HFXTCLK
【VLOCLK】 (Typ 9.4KHz) : WDT、LCDなどのクロックとして使用します。
ソースクロック:VLOCLK
【MODCLK】 (Typ 4.8MHz): ADC、USCIなどのクロックとして使用します。
ソースクロック:MODCLK